鍼灸師が知っておきたい「運動終板」の基礎知識

運動終板(motor endplate)とは、運動神経の末端(軸索終末)と筋肉の接合部に存在する、神経と筋をつなぐ”スイッチ”のような場所です。筋肉を動かす命令が神経から筋肉に伝わるこの部位は、鍼灸においても極めて重要なポイントです。

運動終板は「神経筋接合部」とも呼ばれ、次のような構造と機能を持ちます:

  • 運動神経から放出されたアセチルコリンが、筋線維の受容体に結合
  • その刺激により、筋細胞に活動電位が発生
  • 電気信号が筋肉内に伝わり、筋収縮が起こる

つまり、運動終板は「脳や脊髄からの命令を筋肉に伝える中継点」と言えるのです。

運動終板はどこにあるのか?

運動終板は、各筋線維の中央部に位置しています。例えば:

  • 上腕二頭筋:腕の中央やや内側
  • 大腿四頭筋:太もも中央部
  • 僧帽筋:肩甲骨内側縁付近

このような位置は、多くの場合モーターポイント(筋肉が反応しやすいポイント)と一致しており、鍼灸施術では非常に効果的な刺鍼ポイントとなります。

鍼灸との関係:なぜ重要なのか?

  • トリガーポイントの多くは、運動終板近傍に存在します
  • 鍼でこの部位を刺激すると、局所短収縮反応(LTR)が誘発されやすい
  • LTRは、筋肉のリセット・血流改善・痛みの軽減に直結します

鍼灸師がこの生理反応を理解し、適切なポイントを狙うことで、より効果的な施術が可能になります。

まとめ

運動終板は、鍼灸の施術効果に直結する解剖学的・生理学的に重要なポイントです。

  • 神経と筋肉をつなぐ伝達部位
  • モーターポイントやトリガーポイントとの関連が深い
  • 精確な刺鍼で効果的な筋緊張緩和と疼痛軽減が可能

科学と臨床の橋渡しとして、鍼灸師が知識を持って活用していくべきテーマです。

SATOセラピストスクール代表
鍼灸師|鍼灸専門学校の教員資格保有

長年にわたる技術指導やスタッフ教育の経験を活かし、「わかりやすく」「実践に取り入れやすい」セミナーの開催を心がけています。

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