メタ解析とは?システマティックレビューとは?簡単解説

メタ分析(Meta-analysis)とは?

簡単に言うと…

複数の研究(主に臨床試験)を集めて、全体の傾向を統計的にまとめたものです。

たとえば、「鍼灸は腰痛に効くのか?」というテーマで、

  • A研究では効果あり
  • B研究ではあまり効果なし
  • C研究では中程度の効果

このように結果がバラバラでも、【全体としてどうか?】を客観的に分析するためにメタ分析が使われます。

どうやって行われるの?

  1. 信頼性の高い臨床試験(RCT)などを収集
  2. 各研究の効果の大きさ(効果量)を統一的な尺度で再計算
  3. それらを統計的に合算・分析して「全体の結論」を出す

メタ分析のメリット

  • 1つの研究だけでは偏る結果を、より信頼できる形にできる
  • 「数万人規模の解析」も可能なので、科学的な重みが強い
  • 医療ガイドラインや保険適用の重要な判断材料にもなる

鍼灸における例

「鍼灸は慢性痛に有効か?」というメタ分析では、

  • 20,000人以上のデータを統合
  • 鍼灸が偽鍼や無治療よりも有意に痛みを改善
  • その効果が1年以上持続したと報告されました

つまり、メタ分析は「科学的に信頼される根拠の一つ」であり、
鍼灸が世界的に再評価されているのも、このような分析によって客観的に効果が示されているから
です。

システマティックレビュー(Systematic Review)とは?

簡単に言うと…

あるテーマについて発表された研究を「正確かつ計画的に集めて評価・整理する方法」です。

一般的な文献レビューとの違い

項目 システマティックレビュー 一般的なレビュー(ナラティブレビュー)
情報収集方法 事前に決めたルールに基づいて網羅的に検索 筆者の知見や主観的選択が中心
対象研究 明確な基準で採否を決定 特に基準なし
バイアス管理 評価ツールで信頼性をチェック 管理されないことが多い
再現性 高い(同じ手順で再現可能) 再現困難なことが多い

どうやって行われるの?

  1. 研究のテーマ(例:鍼灸は不眠に効果があるか)を設定
  2. 文献データベース(PubMedなど)で徹底的に検索
  3. 質の高い研究を選定(RCTなど)
  4. 研究のバイアス(偏り)を評価
  5. 結果を比較・統合して全体的な結論を出す

メタ分析との違いは?

  • システマティックレビュー:信頼できる研究を“質的”にまとめる方法
  • メタ分析:統計処理(定量的統合)まで行う方法
    👉 つまり、メタ分析はシステマティックレビューの一部に含まれることが多いです。

鍼灸分野での活用例

  • 「鍼灸はがん患者の吐き気に効くか?」というシステマティックレビューでは、複数のRCTを評価し、有効性と安全性を体系的にまとめたものが国際誌で報告されています。

現場での活用ポイント(鍼灸師向け)

  • 「この効果はシステマティックレビューでも確認されています」と言えば、科学的信頼度の高い説明になります。
  • 医師や医療関係者との連携でも、「根拠ある治療法」として信頼されやすくなります。

鍼灸が国際的に認められてきている理由のひとつが、このようなシステマティックレビューによる科学的検証の進展です。

SATOセラピストスクール代表
鍼灸師|鍼灸専門学校の教員資格保有

長年にわたる技術指導やスタッフ教育の経験を活かし、「わかりやすく」「実践に取り入れやすい」セミナーの開催を心がけています。

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